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ディレクター

TARO TAKAHASHI

高橋 太郎

1962年生まれ。劇団の俳優を経てドキュメンタリーのディレクターとなる。

「危険物の輸送問題」「薬物問題」「細菌部隊731の謎」「アジアの家なき子」など、弱者と社会の暗部を見つめ、告発する問題作を次々と発表。

マンホールチルドレンは10年がかりで向き合った。この作品がドキュメンタリー映画 第一回作品。




「モンゴルに、子供達だけで暮らす、地下社会があると聞いたのが始まりだった。それは面白いと興味に引かれ、モンゴルを訪れたが、中途半端な好奇心は粉々にされた。

想像以上の弱肉強食の世界。弱い子供は強いものに虐げられて生きていくしかない。ゴミに埋もれて寝起きし、ゴミを食べて命をつないでいたのが、マンホールチルドレンだ。この暗い穴に転落したら、這い上がるのは容易ではない。しかし、彼らは栄養失調気味の小さな体で、自分達の幸福を考え、求めていた。貧しさの最底辺で、彼らは、毎日、夢を見て、毎日、傷ついている。

過酷な現実の中で、彼らが作る物語は私的なものである。だがそこには人間が生きていくためのエネルギー、マグマのような“業”というものが沸騰していた。」